現在の住宅は、防蟻性を高めるために土台には薬剤を工場で加圧注入した木材を使用し、地盤面から高さ一メートルまでの柱などの部材には防虫防蟻材を現場で塗布することが義務づけられ、住宅内の土壌は防虫防蟻処理されます。この結果、シロアリから一〇年にわたって保護されるわけですが、シロアリのように丈夫な生物が一〇年間も生存できないような薬剤は、土中の生態系を破壊し、人間や地下水にも悪影響を与えます。また、薬剤を加圧注入された本材は繊維が死んでしまいますから、土台の強度は弱いものになります。ホコリも、床下にはほんとうに粒子の細かいホコリが沈殿していきます。ソーラー床暖房と称して、床下の空気をかき混ぜながら室内に換気として供給するシステムなどが、健康住宅として販売されていますが、この薬剤やホコリの問題を考えるといかがなものでしょうか。自然のままに落下したものはそっとしておく。腐りやすいものは腐りにくい材質に変え、根本的に劣化しない方法論を考える住宅の耐久性を上げ、なおかつ健康的なものにするには、メンテナンスフリー、ケミカルフリーのバランスのとれた住宅を志向する必要があると思うのですが、日本の建築基準法はそうした方向には向かっていません。また、現実的には、シロアリ駆除をしなければ、公庫融資は受けられないのです。
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